地に足を付けない生活

主成分は旅と本と絵画。

生命の青と演歌と私

「この青が見たかった…。」 広場に降り立ち、小道の階段に一歩足を踏み入れた瞬間、目の前に広がるは果てしなく深い青。 この感覚どこかで…そう思う間もなく、去年訪れたギリシャのサントリー島の風景がフラッシュバックする。 ただあの時と決定的に違う何か…

『たゆたえども沈まず』 原田マハ

道端に咲く野蛮な雑草とされた印象派と、美術品の包み紙として捨てられる運命だった浮世絵が交わる奇跡。 芸術は良くも悪くも移り変わり、繰り返す。数百年後に自らの絵が世界中の美術館で堂々たる額縁に飾られるようになる事もつゆ知らず、芸術の都パリで激…

無愛想なフクロウ 【広島県 尾道】

その館は梟で出来ていた。梟の絵、梟の時計、梟の置物、梟の本、梟の蝋燭。梟の中に建物が紛れているようなカフェだった。100年前の木の香りが心地よい。建て付けの良くない扉が音を立て、お爺さんが梟の暖簾をくぐる。無愛想な人だな、横目でチラリと見てそ…